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ミステリの祭典

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インターンズ・ハンドブック

作家 シェイン・クーン
出版日2018年04月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 小原庄助
(2018/08/28 09:47登録)
ミステリというジャンルを好む方なら、ストレートな直球勝負だけでなく、変化球のような癖の強い物語にも心引かれるのではないだろうか。そんな小説だ。
ジョン・ラーゴは派遣会社のインターン。その正体は、暗殺を請け負う同社の命令のもと、標的のオフィスに潜入する暗殺者だ。だが、25歳のラーゴはインターンを装うにはもう年だ。いよいよ最後の任務として、大手の法律事務所に潜入する。だが、この任務はこれまでとは様子が違っていた・・・。
本書は、ラーゴが後輩の暗殺者たちに向けてつづった文書という体裁を取っている。その語りのスタイルが大きな魅力だ。シニカルなものの見方に支えられた、ブラックユーモアに満ちた文体が印象に残る。ラーゴが映画マニアという味付けも効いていて、随所に出てくる映画ネタが、語りの魅力を膨らませている。
そんな文章で語られるストーリーも強烈だ。裏切りと驚きに満ちた展開の末、予測不能な結末に着地する。個性は強いがカルト的な怪作に振り切っているわけではなく、多くの人が楽しめる物語に仕上がっている。

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