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ミステリの祭典

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言壺

作家 神林長平
出版日2000年02月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2018/08/12 22:07登録)
万能著述支援用マシン“ワーカム”に『言語空間が揺らぐような』文章の支援を拒否された小説家・解良翔。友人の古屋は解良の文章の危険性を指摘する。その文章は,通常の言語空間で理解しようとすると,世界が崩壊していく異次元を内包しているのだ。ニューロネットワークが全世界を繋ぐ今,崩壊は拡大されていく…第16回日本SF大賞受賞作品。
「BOOK」データベースより。

言葉を様々な角度から鋭く抉る本格SF小説。テーマがテーマだけに文章が非常に硬質ですね。もう少し柔らかくユーモアを交えても良かったのではないかと思います。
『私を生んだのは姉だった』この矛盾した文章をワーカムは当然のごとく受け付けません。小説家解良はいかにしてこの問題を解決に導くのかが読みどころの『綺文』など、奇想が連打される連作短編集となっています。

SFファンには堪らない内容となっているように思いますが、句点を排除した『乱文』などは私には全く理解不能でした。と言うか、途中で放棄したくなります。まあ短いのが救いでしたが。全体的に鮮やかなオチや収束を期待すると裏切られるかもしれません。

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