ロデオ殺人事件 ネロ・ウルフ 中編 雑誌「EQ」 1998/07 NO.124掲載 |
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作家 | レックス・スタウト |
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出版日 | 不明 |
平均点 | 4.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 4点 | 雪 | |
(2018/08/10 23:36登録) 千七百万ドルの資産を受け継いだ女性リリー・ローワンのホームパーティーの目玉は、全米ロデオ選手権大会だった。ニューヨーク63番街、十階建てのペントハウスの欄干から、歩道を直進する騎手に投げ縄を命中させるのだ。だが競技終了後、嫌われ者のスポンサーの一人が頭を殴られ、出場選手から盗まれたカウボーイ用ロープで絞殺されているのが発見された。 メインディッシュの珍味アオライチョウに惹かれて出席していたウルフとアーチーのコンビは、リリーの依頼を受けてすぐさま捜査を開始する。 1960年発表。雑誌「EQ」 1998/07 NO.124掲載の書籍未収録ネロ・ウルフ物。アンソロジーピースの「ポイズン・ア・ラ・カルト」、同じくEQ 1992/09 NO.89掲載の「第三の殺人法」と併せて刊行された中編集中の一編です。後期の始まり、まだ完全に枯れてない時期の作品。 カウボーイ、カウガールを含む競技関係者の中から犯人を突き止める事になりますが、ポイントはある女性選手の行動。彼女はロープを盗まれた恋人を救う為、やってもいない犯行を告白したり、デタラメな証言を並べたり、果てはアーチーをウルフの事務所内で射殺しようと試みます。警察にも十四時間以上拘束され、今回は踏んだり蹴ったりのアーチー。 彼女の行動が煙幕になって分かり辛くなっていますが、事件の構造はシンプルですね。短時間のアリバイが問題になるのですが、登場人物の一人がうっかり漏らした言葉が決め手になります。が、これでは弱いかな。ソウル・パンサーら証拠固めチームもやや後出し気味。ちょっとフェアでは無いですね。全体に「料理長が多すぎる」の焼き直し風ですが、あちらと比べるとどうしても会話のコクや内容が薄い感じ。独自の地位を主張出来るまでには至っていません。 まあ一回読めば充分な凡作ですかね。パーティー主催者のリリーは「シーザーの埋葬」でアーチーの恋人役を務めるそうですが、残念ながら未読。 |