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ミステリの祭典

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第三の眼

作家 ケイ・ノルティ・スミス
出版日1983年02月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点
(2020/04/25 09:49登録)
基本的には事件の真相を追うデイモン刑事の視点から書かれた作品です。それにもかかわらず後半は裁判が続く法廷ミステリになっているのは、デイモンの驚くべき転身があるからなのです。
その裁判になる事件が殺人なのか事故なのかという点も謎ではあるのですが、殺人だとしたら犯人は逮捕される女性記者に決まり切っているのであり、それ以上に、女性記者は何を考えているのか、そしてさらに重要なのは死んだ文化・道徳価値研究所所長がどんな人物だったのかという点が、追及される中心問題になります。まあ、初っ端に書かれているこの所長の主張からすれば、彼の考えがどんなものだったのかの見当はすぐにつきますが。
それでも、大統領選挙につながる政治的思惑も絡めて、社会学者の思想を示すカセット・テープがどうなるのかなど、最後まで緊迫感が続き、エドガー賞処女長編賞受賞も納得のいく作品です。

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