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ミステリの祭典

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近松よろず始末処

作家 築山桂
出版日2018年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 小原庄助
(2018/08/02 09:06登録)
元禄時代の大阪を舞台にした、時代エンターテインメント小説。主人公は、人気浄瑠璃作者・近松門左衛門に命を救われた虎彦という若者。近松の裏稼業「近松の万始末処」に加わり、正体不明の美丈夫の剣士・少将や愛犬の鬼王丸と共に、人助けに奔走するのであった。
本書は全4巻で構成されている。冒頭の「お犬さま」は、生類憐みの令に反して、暴れ犬を斬った大坂東町奉行所同心を助けてくれという依頼を受け、虎彦たちが動きだす。一筋縄ではいかない事件の真相には驚いた。ミステリの面白さが堪能できるのだ。
これは他の章にもいえる。入り組んだストーリーや、史実の巧みな使い方など、読みどころは多い。また後半になると、近松が裏稼業をする思惑を通じて「創作者」の業と「物語」の持つ力も表現されている。ここも本書の重要なポイントなのだ。

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