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ミステリの祭典

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ジャックと豆の木
ホープ弁護士

作家 エド・マクベイン
出版日1986年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2018/08/01 16:01登録)
 ホープ弁護士はジャック・マッキニーなる依頼人に、農地十五エーカーの購入手続きを依頼された。しかしジャックはわずか20歳。おまけに彼が栽培しようとしているさや豆は、ここフロリダでは赤字確定の作物だった。
 ホープは思い留まるよう説得したが、頑として応じないジャック。ほどなく彼はめった刺しにされて殺され、買収資金の残金も奪われた。だが牧場経営者の母親の話では、息子は勘当同然の身の上で金など持っていないという。ジャックは四万ドルもの大金をいったいどこから得ていたのか?
 ホープ弁護士シリーズ第4弾。マシュー・ホープぼこぼこになるの巻です。
 だいたいしょっぱなから酷いですね。恋人デイルとパーティーに出席したものの、彼女の機嫌が悪くて退場。気分直しに入ったバーでカウボーイ2人に絡まれ、顔が倍に膨れ上がるほど殴られます(後で友人の警官にテクを習ってやり返しますが)。
 デイルに担がれなんとか帰宅するも彼女に別れ話を切り出され「なぜ? 僕が嫌いになったの?」「実はあたし二股掛けてたの」「彼と結婚するの」「はぁ?( ゚д゚ )」。
 袋叩きになりながらヤケクソで仕事に邁進するホープですが、農場の残金をフイにした売り主は訴えるとおかんむり。煮ても焼いても食えそうにない相手方弁護士とやり合ううちに、今度は売り主の方が射殺されてしまいます。そして・・・。
 第三の殺人までは面白かったんですけどね。農場の描写とかも骨太で。ホープも恋人にフラれたあと物凄く若作りのジャックの母ちゃんとねんごろになったりして。でも結構盛り上がった挙句犯人は衝動的なアホでした(ポケミス版237Pにしっかり阿呆って書いてあります)。そのアホの逮捕劇のおまけでホープが撃たれて終わり。しょうもないんでひっくり返るかと思ったんですが、腰砕けというか。主人公のあしらいは最後まで酷いです。
 一応「なぜジャックがさや豆に拘ったのか?」「金はどこから得たのか?」という謎はありますけどね。たいしたもんじゃないです。ジャックの母親の57歳の女傑は良いキャラですけどね。この女性の人生模様の方がメインかなあ。
 第3作の「美女と野獣」が図書館に無かったんで一作飛んだんですが大丈夫かなこのシリーズ。次の「白雪と赤バラ」は文句無しとして、6作目の「シンデレラ」も一応読みましたがこれよりつまんないという・・・。

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