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ミステリの祭典

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シンデレラ
ホープ弁護士

作家 エド・マクベイン
出版日1988年10月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点
(2018/08/04 05:00登録)
 弁護士マシュー・ホープの依頼で浮気調査を行っていた、老練の私立探偵サマルスンが射殺された。彼が同時に請け負っていた仕事はシンデレラと呼ばれる美女を探す事だった。彼女はフロリダ有数の船舶会社のオーナー、ラーキンからロレックスの金時計を奪っていたのだ。同時にマイアミでもシンデレラを探して二人のキューバ人が殺人を繰り返していた・・・。
 シリーズ6作目。法廷・リーガルに分類してますが実の所はノワールぽいストーリー。ガラスの靴とドレスを纏って舞踏会から純度90%、四キロのコカインを持ち逃げしたいけないシンデレラ。当然そのままで済む訳もなく、麻薬の売人アマロスはさっさと追っ手を派遣します。完全にとばっちりで殺される二人の義姉。元ネタとは逆にシンデレラの方が悪人ですな。とにかく手癖の悪い女です。
 そして主人公のホープ。前作「白雪と赤バラ」で特大の地雷を踏み抜きましたが、この期に及んで元鞘かよお前。なんか子供が気の毒になってきました。コブ付きなのにバート・クリングより節操無いです。大丈夫かこいつ。
 フロリダを舞台にするなら麻薬組織とヒスパニック犯罪に触れんといかんかなー、という感じで書かれた作品ですね。シンデレラ組を追うラーキンとアマロスにホープがちょこっと絡む感じ。血腥いだけでミステリ的な興趣はほとんどありません。浮気調査を依頼した夫婦の間での脇筋の駆け引きが一番意外だったくらい。
 シンデレラも単なるマネーオンリーのエゴイストで、といって女傑でもない。苦手なんだよなこういうの。読めはするけど特に図抜けた凄みもないし、4点そこそこ。

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