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ミステリの祭典

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きんぴか
「きんぴか」シリーズ/改題『三人の悪党』

作家 浅田次郎
出版日1996年01月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2018/07/11 04:46登録)
 伝説のヒットマンにして満十三年の刑期を務めた挙句、組に鼻紙の様に捨てられたピスケンこと阪口健太。惚れ込んだ政治家の泥を被って地位も妻子も失った、元大蔵官僚トップの広橋秀彦。PKO派遣に反対しての一世一代の自決に失敗した元最強自衛官・軍曹こと大河原勲。
 世間様から放逐されて野良犬のように彷徨っていた彼ら三人を駆り集めた退職間際のベテラン刑事、警視庁第四課最古参にしてマル暴の厄介者、マムシの権左こと向井権左ェ衛門。三人の悪党プラスワンの「世直し」の物語。

 たまにはこんなのもいいんじゃないでしょうか。内容は一言でいえば藤山寛美いろは劇場か吉本新喜劇。
本気で怒られると困るので7点止まりにしときましたが、人によってはもう何点か付けるでしょう。分厚い本ですが全編通して笑わせつつ泣かせます。浅田次郎の最高傑作。
 同系列の作品にヤクザが旅館を経営する「プリズンホテル」シリーズがありますが、好みとしてはこちら。一応コンゲームもどきの要素もないこともないです。ギャグ一辺倒かと思って油断してたら最後にやられますしね。うかうかできません。
 まあ、読めば分かります。とにかく読んでください。本当にそれだけ。

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