赤い呪いの鎮魂花 滝連太郎シリーズ |
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作家 | 山村正夫 |
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出版日 | 1983年07月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | nukkam | |
(2018/07/12 23:04登録) (ネタバレなしです) 1983年発表の滝連太郎シリーズ第2作です。横溝正史の伝奇本格派推理小説を(作者の個性も織り込んで)継承した「湯殿山麓呪い村」(1980年)の成功のプレッシャーもあったと思いますが、本書は本書でなかなかの力作です。企業の吸収合併計画という社会派要素、バラバラ殺人に密室殺人、戦中戦後の悲劇、複雑な人間関係、そして沖縄を舞台にしたトラベルミステリー要素まで織り込まれています。トリックにはジョン・ディクスン・カーの某作品の影響も見られますが、全体としてはむしろアガサ・クリスティーの某作品を連想させる真相でした(複雑過ぎて読者が完全正解するのは難しいかも)。密室トリックも印象的です。 |