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ミステリの祭典

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魔術
87分署

作家 エド・マクベイン
出版日1989年02月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2018/06/16 07:39登録)
 87分署シリーズ40作目。瀬戸川猛資さんの珍しいベスト本「ミステリ絶対名作201」に、シリーズ推奨10作として挙げられていた中での最新作です。(他は発表順に「警官嫌い」「通り魔」「麻薬密売人」「殺意の楔」「電話魔」「10プラス1」「サディーが死んだとき」「凍った街」「稲妻」だったかな)。
 珍しくハロウィーンの夜が舞台で、子供たちだけの拳銃強盗事件とマジシャンのバラバラ死体事件を中心に、女刑事アイリーン・バークの囮捜査ほかの事件をスパイスに加え、タイトルに相応しく読者を翻弄するモジュラー型の構成。メインの2件が軽くひねってあって面白いです。
 アイリーンの捜査にいらんちょっかいを出すのは恋人バート・クリング刑事。第37作「稲妻」以来隙間風が吹き始めて不安になったのか、男心のアホさ加減を存分に見せてくれます。レギュラー絡みではこちらの方が軸でしょう。いつものメインのキャレラ刑事はたいして活躍もしないまま撃たれて生死の境を彷徨います。いいとこありません。
 こないだ初期で好きな作品「通り魔」を読み返したんですが、ボリュームの増えたあとの作品と比較するとちょっと物足りませんね。フランシスの競馬シリーズはそこまでではないんですが。87分署後期の良いやつは隠れたお奨めです。

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