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ミステリの祭典

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警士の剣
新しい太陽の書3

作家 ジーン・ウルフ
出版日1987年07月
平均点10.00点
書評数1人

No.1 10点
(2018/06/22 00:04登録)
 ネッソスから任地スラックスに辿り着き安定した地位を得たのも束の間、罪人を見逃し再び追われる身となったセヴェリアン。恋人ドルカスを促し逃亡を試みますが、「調停者の鉤爪」での死者の復活劇を目撃したドルカスは、ある怖ろしい秘密に気付いていました。
 過去の記憶を取り戻した彼女はネッソスへの帰還を選択。一方セヴェリアンは遥か山脈を越え、ペルリーヌ尼僧団を追って追跡者の手の届かないアスキア人(アバイアの支援を受け「共和国」と対立する国家)との戦場へと向かいます。
 その途中で彼は人食い猿アルザボに家族を殺された少年を拾う傍ら、恐るべき呪術師と対決、さらに蘇った双頭の古代支配者テュポーン(表紙に逆さになって横たわってる怪物ですね)の野望を退けます。
その果ての邂逅、この巻最後の戦いでセヴェリアンは遂に己の半身とも言える剣、テルミヌス・エストを失うのでした。

 「新しい太陽の書」もいよいよ後半、それまでの伏線が徐々に回収されていきますが、ドルカスの秘密はこの巻では半ばまでしか明かされません。残りは最終巻。この時点で全部知ってしまったらどうなったか分かりませんけど。
破壊されるテルミヌス・エストは新版の表紙絵だと先が尖ってない両刃の剣ですね。エクスキューシュナー・ソードという処刑専用の長剣です。
 全3巻完結の予定を構想部分で膨らませたせいか、この巻は他の巻と比べ非常に章割りが多いです。謎解きに加えアクションも動きも多い、一番面白い巻です。

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