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ミステリの祭典

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ムッシュウ・ジョンケルの事件簿

作家 M・D・ポースト
出版日2018年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2018/05/19 02:22登録)
(ネタバレなしです) 1923年発表の本書は中編「異郷のコーンフラワー」(短編2作分の分量です)と11作の短編から成る短編集で、パリ警視総監のジョンケル氏が活躍します(もっとも警察官としての捜査描写はほとんどありませんが)。舞台はフランスだけでなくイギリス、スイス、ベルギー、そして真相が有名な「大暗号」(1921年)ではアフリカのコンゴと多岐に渡ります。舞台以上に多彩なのがプロットで、何が起きているのかさえわからない作品も少なくありません。本格派推理小説として明快な筋立ての多かったアンクル・アブナーシリーズとは対照的で、チェスタトンのブラウン神父シリーズほどではないにしろ回りくどくて読みにくさを覚える時がありました。何の伏線もなく真相が明らかになるので意外というより唐突感の方が強かったです。

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