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ミステリの祭典

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泥棒だって謎を解く

作家 影山匙
出版日2014年08月
平均点2.00点
書評数1人

No.1 2点 メルカトル
(2018/04/30 22:13登録)
四人の幼馴染みの男が再会する。二人は泥棒で二人は刑事だ。それぞれが相棒同士なのだが、勿論お互い現在の境遇は知らない。
程なく刑事の一人桜庭の恋人が殺され、そこから事件は十年前にまで遡り、ひょんなことから刑事が泥棒に情報を提供するようになり、泥棒のコンビが謎解きに挑戦するが。

出ましたよ、久しぶりの2点が。これほどつまらない小説を読んだのはいつ以来だろうというくらい出来は酷いです。どこがそんなに面白くないのかを整理するために、箇条書きで以下列挙してみます。

1.一章のアリバイトリックは手垢が付いているもので、単に焼き直したに過ぎない
2.展開がダラダラしていて起伏に欠け、どこで盛り上がってよいのか分からない
3.人物造形が全くできていない
4.泥棒コンビのセリフの語尾が「~でしょ」「~の」が多すぎて、オカマっぽく生理的に受け付けない
5.4の影響もあり、誰が喋っているのか分からない会話が多すぎる
6.謎を解くとは名ばかりで、ただ事件を追っているに過ぎない
7.伏線や手掛かりなどは皆無
8.連続殺人事件の動機が弱すぎるし、顔を潰す意味も不明

このくらいで勘弁してあげます。これだけあれば十分でしょう。
まあ、どこを取っても褒めるべき美点らしきものは皆無で、これを出版してもいいのか疑問に思うレベルですね。
しかし不思議なことに世評はそれほど悪くないんですよ、何よりこの作品が『このミス』大賞の最終候補に残ったことが私にとって驚愕です。私が間違っているのでしょうか。失礼ながら、お金と時間の無駄遣いでしたね。
この人は専業作家は無理だろうと思っていたら、会社員でした。二作目は書かないほうがいいんじゃないでしょうかねえ。

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