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ミステリの祭典

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失われた時間
ルドヴィック・トラヴァースシリーズ

作家 クリストファー・ブッシュ
出版日2006年12月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 nukkam
(2016/08/09 16:05登録)
(ネタバレなしです) 1937年発表のルドヴィック・トラヴァースシリーズ第16作の本格派推理小説でブッシュの代表作と評価されています。探偵役のトラヴァース自身がアリバイ証人にもなっているという設定が珍しいですね。地味で堅実過ぎるぐらいの前半に比べて後半(12章あたりから)はメロドラマ風に流れるのが対照的です。唐突に判明する犯人に偶然の要素が混じったアリバイトリックと謎解きとしては必ずしも堅実ではないですけど、どうもこのメロドラマ効果で私は不満をはぐらかされてしまったようです。ずるいぞ、作者(笑)。

No.1 6点 mini
(2008/10/14 11:24登録)
ブッシュははるーか昔に「完全殺人事件」「100%アリバイ」などが訳された後、ずーと放置されたままだった
それが突然に論創社から出たのにはびっくりした
ブッシュはアリバイものだけを書いたわけではないが、日本に紹介された作品は全てがアリバイものである
「失われた時間」もアリバイと言えばアリバイだけど、すごく短い時間が重要になっている
ネタバレしないように言うと、表面的にはアリバイものだけど、実際は人間心理の機微を突いた話である
トリックにしか興味の無い読者には良い意味で向いていない、そもそもトリックの巧拙だけがミステリー小説の価値を決めるわけでもないし
トリックがどうのとかなって議論とは無関係に優れたミステリーであり、ブッシュの代表作と言えると思う

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