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ミステリの祭典

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カレイドスコープの箱庭
田口&白鳥シリーズ

作家 海堂尊
出版日2014年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 E-BANKER
(2018/04/15 21:17登録)
田口&白鳥の『バチスタ・シリーズ』もついに最終章。
2014年の発表。
なお、宝島文庫版では書き下ろしエッセイ「放言日記」と「桜宮市年表」を併録。

~閉鎖を免れた東城大学医学部附属病院。相変わらず病院長の手足となって働く“愚痴”外来・田口医師への今回の依頼は、誤診疑惑の調査。検体取り違えか診断ミスか・・・。国際会議開催の準備に向け米国出張も控えるなか、田口は厚労省の役人・白鳥とともに再び調査に乗り出す。「バチスタ」シリーズの最終章!~

これはもう付録というかファンブック。
シリーズの幕開けとなった「チーム・バチスタの栄光」を彷彿させるような田口&白鳥のやり取りもそうだし、物語の終盤にはバチスタ・スキャンダルの当事者・桐生医師や“ゼネラル”速水医師まで登場するなど、シリーズファンにとっては堪えられない展開。
ただ・・・ファン以外の方には「何じゃこりゃ?」という感想しか残らないんじゃないか。

今回も例によってAiの是非が裏テーマとなっている。
これはシリーズ通じての作者の一貫した主張だし、シリーズ最終譚でも外すことはできなかったんだろうな。
本作では米ボストンでの講演や国際会議まで開催するなど、もうやりたい放題。
(個人的にはお腹いっぱい)

で、本筋はというと・・・なんだっけ?
というくらいのものです。
そんなことより、併録の「桜宮市年表」が興味深い。
「海堂ワールド」の集大成というか、世界観もここまで広げられれば壮観のひとこと。
ここまで何作にも渡って同じ世界観を共有する作品を書き続ける作家って他にいたっけ?
これは・・・もう才能としか言いようがないし、スゴイとしか言えない。
最近、地上波TVドラマ(「ブラックペアン1988」)も始まったことだし、また人気が再燃するかもね。
(相変わらず人に形容詞を付ける才能がスゴイ! 本作では「牛丼鉄人」が登場)

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