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ミステリの祭典

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ノベルダムと本の虫

作家 天川栄人
出版日2016年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 小原庄助
(2018/04/11 10:33登録)
舞台は百年戦争で疲弊し、ほぼ停戦状態ながら、いつまた闘いが勃発するかわからない世界。そこにイストリヤという、永世中立の島国があった。別名、「物語の王国(ノベルダム)」。ここには、言語統制がしかれている国々から追放されたり逃げたりしてきた作家が暮らしていた。
大陸の国に住んでいた少女アミルは、その島の王立図書館に呼ばれ、「物語の森を自由に飛び回る本の虫」になった。配属先は「蛍科」。蝶科は受付、甲虫科は運搬、蜂科は警備、蛍科は・・・?
このファンタジー、アミルの王立図書館での冒険と、彼女の愛読書「五感物語」(未完)の作者の謎の死と、この物語の最終章をめぐるミステリが絡み合って、思いも寄らない展開を見せる。
プロットも面白いが、なんといっても物語機関(ノベルエンジン)という発想がいい。この島では船も自動車も、館内を巡回する蛍型のマシンもすべて、物語を燃料として動いているのだ。このユニークな設定が、作品の謎やテーマと見事にかみ合っている

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