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ミステリの祭典

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盗まれたフェルメール
アプルビイシリーズ

作家 マイケル・イネス
出版日2018年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2018/04/04 08:59登録)
(ネタバレなしです) 1952年発表のアプルビイシリーズ第13作で、「ハムレット復讐せよ」(1937年)の登場人物が再登場しています。死んだ画家の遺作展示会での絵画盗難に端を発し、その画家は殺されたらしいこと、問題の絵画には思わぬ秘密が隠されていたことがわかる展開には本格派推理小説らしさもありますが、事件が組織犯罪であることが確実視される後半はアクションシーンも挿入されるスリラー小説に変貌します。本書のアプルビイは警視監という地位にあり、本来なら捜査指揮をとる立場だと思いますが何と単身で敵地に乗り込むような展開になってサスペンスが盛り上がります。アプルビイの妻ジュディスも巻き込まれてスリル感はさらに加速します。最後にはアプルビイによる真相説明があって驚くべき秘密が明かされますが、本格派のように謎解き伏線を回収しての推理説明ではないのがちょっと残念。

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