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ミステリの祭典

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代理処罰

作家 嶋中潤
出版日2014年02月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2023/05/02 23:44登録)
タイトルは、「国外に逃亡した犯罪容疑者について、捜査資料を提供し母国や逃亡先の国の法律に基づいて裁いてもらう手続き」と作中で説明されています。「ブラジルでは自国民の他国への引き渡しを憲法で禁じている」そうで、本作の中でも、その憲法規定が冒頭で起こる事件のその後の展開の基本要件となっています。ただ代理処罰制度の方は、あまり重要視されておらず、その意味ではタイトルとして適切だとは思えません。
また、プロローグの後、章分けが「0(ゼロ) 手紙」から始まっているのには特別な意味があるのかと身構えてしまったのですが、そんなことはありませんでした。
と、細部にはいくつかケチをつけたいですし、前半主役岡田亨の心理、記憶の描写は少々うるさい感じがしたのですが、彼がブラジルに着いてからのサスペンスはなかなかのもので、真相には多少拍子抜けのところはあるものの、事件構造はきっちりできていました。

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