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ミステリの祭典

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青鷺はなぜ羽搏くか
熊座退介警部補、秋水魚太郎/「別冊宝石」21号、「幻影城」42号

作家 岡村雄輔
出版日不明
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2018/03/31 16:39登録)
(ネタバレなしです) 1952年発表の長編第2作である本格派推理小説です。「加里岬の踊子」(1950年)で活躍した秋水魚太郎はほんの数ページしか登場せず、本書の名探偵役は熊座警部補です(続く「幻女殺人事件」(1954年)では完全に熊座しか登場しなくなります)。東京の下町である佃島で起こった殺人事件の謎解きですが捜査描写は非常に地味で派手な展開もありません。しかし風景描写や人物描写には力が入っており、独特の叙情性があります。中でもある人物の特異な性格描写は実に強力な個性となっています。殺人現場近くで謎の女性が目撃されて一見単純そうな事件ながら容疑は二転三転、熊座を悩ませます。ミスディレクションの巧さも光ります。

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