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ミステリの祭典

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夜の試写会
リディア&ビル短編集

作家 S・J・ローザン
出版日2010年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2019/09/23 23:23登録)
日本で独自に編集されたローザンの短編集。
収録7編中、最初と最後にリディアとビルが2人とも登場する(いずれもリディア視点)作品を置き、その間にリディア単独事件を2編、ビル単独事件を3編並べています。すべて、何らかの意味で結末の意外性を狙ったものになっていますが、パズラー系作家に比べると謎解き的にはちょっとワン・パターンかなとも思えます。
巻末解説にはビル主役作はハードボイルド的、リディア主役作はコージーっぽいと書かれていますが、本書の中で最もハードボイルドでないのは、ビルの『天の与えしもの』で、困りもの宗教家撃退法を描いたユーモア・ミステリです。一方重いテーマを持ちハードに徹したのはビルの『ただ一度のチャンス』とリディアの『人でなし』。さらにアメリカ探偵作家クラブ最優秀短編賞受賞の軽快な『ペテン師ディランシー』など、作風的には変化に富んでいます。

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