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ミステリの祭典

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狼を庇う羊飼い
私立探偵レオ・ハガティー

作家 ベンジャミン・M・シュッツ
出版日1987年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2020/06/01 22:44登録)
ワシントンDCのタフな私立探偵レオ・ハガティーが活躍するシリーズの第1作です。
基本的にはハガティーの一人称形式ですが、ところどころに三人称形式で、犯人と、その犯人に5年前娘たちを誘拐された男の視点から書かれた章を入れています。久しぶりに犯人からかかってきた電話から、執念深く犯人を追いかけていく男が、最初のうちはなんだかねという感じだったのですが、だんだん説得力を持ってきて、後半の緊迫感を生み出しています。それに、ハガティーが捜査中に関わり合った強姦事件の顛末を組み合わせた構造になっています。クライマックスの海上シーンは迫力充分ですが、タイトルのテーマを掘り下げるために、むしろ逆にそのシーンの前の地味な心理サスペンスを重視した方がよかったような気もしました。
ただ文章には、「われわれは隔離された神の馬鹿な子供だ。」(第9章.)といったような気取りすぎなところがあるのが不満でした。

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