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ミステリの祭典

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枯れ蔵

作家 永井するみ
出版日1997年01月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2023/06/08 21:37登録)
1996年の第1回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した作品で、巻末の選評を見ると、審査員全員一致で推されたようです。確かに小説としてのきめ細かさは相当なものです。審査員たちが不満をもらしていた自殺理由については、投稿後に改訂されたのではないでしょうか、なるほどと納得させられました。
不可能犯罪や、派手なアクションがあるわけではありません。過去の自殺事件(実は殺人だったなどというひねりはありません)と、現在の富山県での稲作に対する害虫であるウンカの異常発生とを組み合わせた、地味な事件です。また真相に奇抜なアイディアがあるわけでもありません。しかしストーリー展開には説得力があり、文章も新人作家とは思えない巧みさです。ただ犯行については、たぶんこの罪状になるんだろうなとは思えますが、むしろ民事的な問題の方が重大で、ここまでやるかという気はしました。

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