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ミステリの祭典

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ゴーストフォビア

作家 美輪和音
出版日2016年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2018/03/10 22:27登録)
突然、サイキック探偵になると宣う姉の芙二子に振り回される三紅。行方不明の女性を調査する二人は事故物件を扱う不動産屋の神凪怜と出会う。クールだが残念なイケメンの神凪と触れた三紅は聴力を失ったはずの右耳から不思議な声を聴く。一方神凪も見えざる存在が見えてしまっているらしいのだが。

フォビアとは恐怖症のことだそうです。世の中には様々な恐怖症が存在しているらしく、ピーナッツバター恐怖症、幸せ恐怖症、ポエム恐怖症、衣類恐怖症、美人恐怖症、へそ恐怖症などなど多岐にわたるようです。
この連作短編集は様々なフォビア(恐怖症)にスポットを当て、それらを題材にそこそこ怖めのホラーにプラスしていい塩梅のミステリ要素を絡めた異色のホラーミステリに仕上げられています。しかし、残念ながらそれぞれ若干風変わりな個性を持っているはずの登場人物があまり魅力的に描かれておらず、その意味では良い出来とは言い難いです。
まあ物語そのものはそれなりに練られているとは思います。しかし、全体的に印象が薄く、いずれ近いうちに忘却の彼方へと追いやられそうな作品です。

最も気に入っているのは装丁です。あまり垢抜けた表紙のイメージがない創元推理文庫ですが、これはとてもよく出来た表紙だと思います。なぜこの絵なのか、最終話で真の意味が分かります。ホラー好きには是非お薦めというほどではありませんが、読んでみても面白いかなと思います。

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