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ミステリの祭典

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探偵女王とウロボロスの記憶

作家 三門鉄狼
出版日2018年02月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2018/03/26 22:03登録)
女学院の旧部室棟からの少女転落、からの人間消失、からの死者の蘇りという、豪華絢爛な大風呂敷を広げ。そしてあまりにもあっけない解決編。嫌が上にも読者の心情を盛り上げておいて、突き放す、そのツンデレぶりにはいささか辟易とさせられました。
冒頭は良い感じで進行して、内心これは期待できると思いましたが、事件が明らかになり女生徒たちへの聞き込み等を読み進むにつれ、次第にアラが目立つようになります。アラというか、全体的に雑で荒削りな感じが否めません。
権威効果とソースモニタリングエラーとか言われても、納得できませんね。人間の記憶というのはそんなに曖昧なものではないと、個人的には思います。集団心理と言ってしまえばそれまでですが、発想が飛躍しすぎではないでしょうか。


【ネタバレ】


とか思っていたら、ラストであまりに突飛な事実を突きつけられます。ここで驚愕するべきなのかもしれませんが、私は拍子抜けしてしまいます。そういうオチか!とんでもない食わせ者ですよ。あり得ないことが起こります。なんとか読者を丸め込もうという意気込みが、逆に物語全体から浮いてしまう結果に終わっている気もします。
せめてここで多少なりともカタルシスを得られれば、終わりよければってことになったんでしょうけどねえ。まあここは読者によって温度差が顕著に現れるのではないかと思いますが。

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