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ミステリの祭典

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アリバイ
ジョン・バイパー&クインシリーズ

作家 ハリー・カーマイケル
出版日2018年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2018/03/27 20:50登録)
(ネタバレなしです) 実にシンプルなタイトルが印象的な1961年発表のジョン・バイパー&クインシリーズ第19作の本格派推理小説です。もっとも強固なアリバイとそのアリバイ崩しに徹した作品かというとさに非ず。まず前半はパイパーが失踪した女性の足どりを追跡するという何とも緩い展開です。ようやく凶悪な事件が起き、有力容疑者にはアリバイがあることもわかるのですがパイパーも警察も早々とアリバイは鉄壁だと認めてしまい、崩そうとする気合が感じられません(笑)。それでいて容疑が晴れたと割り切るわけでもなくつかず離れずの捜査が続きます。別の容疑者も何人かいますがこちらの容疑も弱く、実にじれったいプロットです。終盤は一気にサスペンスが濃くなり、そして真相はというとクロフツの某作品、クリスティーの某作品、ルース・レンデルの某作品が頭に浮かびました(最後のは本書より後発の作品ですけど)。ネタバレになるので詳しくは書けませんがアリバイのことだけ考えればよいという作品ではなかったです。

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