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ミステリの祭典

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猶太人ジリウク
フロジェ判事

作家 ジョルジュ・シムノン
出版日不明
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2018/02/17 23:53登録)
『13の秘密』、『ダンケルクの悲劇』(13の謎)と同時期に書かれた、その2冊と同じくショートショートと言っていい長さの13の連作謎解き短編集です。原題は "Les 13 coupables"(13の犯罪者)。1937年に春秋社から出版されて以来新訳も出ず、日本では絶版状態が続いているもので、読んだのはそんな稀覯本ではなく、原書です。日本で永らく無視されていても出来栄えはなかなかのもので、他の2冊と比べて短くしやすい基本設定になっていて、「クイーンの定員」にも選ばれている短編集です。
主役はフロジェ判事。ただし裁判官ではなく、メグレ・シリーズでもお馴染みのコメリオ判事と同じく予審判事で、警察とも協力し容疑者を尋問して裁判に回すべきか否かを決定する役割です。表題作のジリウクを始めとして、様々な国籍の容疑者をフロジェ判事が尋問し、ほとんどがその場で事件解決となる構成で、ホワイダニットが中心となっています。

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