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ミステリの祭典

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三十九号室の女

作家 森下雨村
出版日2017年12月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2018/02/10 22:36登録)
(ネタバレなしです) 代表作の一つと評価される1933年発表の本格派推理小説です。東京駅で呼び出しを受けた弁護士の須藤(主人公の1人)が電話に出ると女の悲鳴が聞こえて電話は切れてしまいます。電話をかけた場所が東京ホテルとわかり駆けつけるとそこの三十九号室で女の死体が発見されます。須藤は新聞記者の幡谷(もう1人の主人公)と一緒に謎解きに取り組みます。物語のテンポが早く、謎が深まる展開もなかなか魅力的です。人間関係もどんどん複雑化するので登場人物リストを作って整理した方がいいかもしれません。ただ本格派といっても論理的に整理された推理説明を期待してはいけません。幡谷が最終章で「一つの仮定の上に立った僕の直感的な解釈に過ぎない」と語っているレベルなのはこの時代の国内ミステリーとしては仕方ないのかもしれません。

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