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ミステリの祭典

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ヴィク

作家 サラ・パレツキー
出版日2017年12月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 人並由真
(2018/02/09 12:44登録)
 終盤、かなり大がかりな過去の事件の真相が見えてくるあたりはさすがのダイナミズムだが、とにかく長い! 登場人物が多い!!
 お話の流れは中期以降のロス・マク風の<親の因果が子に報い>ドラマに、巨匠パレッキーが人生の晩年にアメリカ文化に対するルサンチマンを吐き出しておこう、みたいな思いがからみあった感じで、錯綜しっぱなし。
 実に平易な訳文とおのれの内面を全部語るヴィクのキャラの敷居の低さもあって本文そのもののリーダビリティは高いが、それでも国産の新本格作品3~4冊分を読むエネルギーをこの1冊に使った。
 ともあれ読み終わったあとは、最後まで読破した達成感もふくめて、そこそこ悪くない気分でもある。

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