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ミステリの祭典

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死ぬほどの馬鹿

作家 カトリーヌ・アルレー
出版日1976年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 斎藤警部
(2018/02/02 00:42登録)
いかにも叙述●●ックめいた冒頭手記(?)の正体はかなり意外。しかしその謎は結末以前に明かされ、ミステリ的な驚きより物語の感動(社会派要素アリ)に寄与する部分が大きい。

パリ郊外(だったか?)中年夫婦のもとへ、昔馴染みの青年(そう若くもない)が戦争から帰還して来る。やがて彼は近所の若い女を見初め結婚し、ヒッピー気質の彼女は本物のヒッピー旅団と知り合い、そのリーダー格が夫婦と交流を始めかけたが。。ここからの激動展開は見もの。

次々と主人公が切り替わるが、その過程である種「そして誰も●●●●った」を思わす淋しさの加速が見られるのも魅力。かと思えば救いの手も。。

“微妙なニュアンスなどに縁がないだけに、物事の本質をふみ外すことがない。”

やっぱりこの邦題、最高に抉って来るね。 それに較べりゃ中身はちょっと緩いけど、憎めない作品です。

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