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ミステリの祭典

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叛逆航路

作家 アン・レッキー
出版日2015年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 糸色女少
(2018/01/29 19:56登録)
ヒューゴー賞、ネビュラ賞など7冠に輝く、デビュー長編で、王道の宇宙SF。
銀河に広範な領土を有する国家ラドチにはローマ帝国を思わせる軍団制度があり、宇宙戦艦の人工知能(AI)はその人格を多くの兵士の肉体に転写し、「属体」として操る。また家同士の関係が代々引き継がれるなど、伝統的な階級制度を持っている。
と書くと、古めかしい作品のようだが、一方でラドチには性別は存在するものの、社会的な性差意識が存在しない。それは言語面にも現れており、この小説では三人称は「彼女」と記される。「彼」「彼女」という言語的区別がない。
しかし別文明の多くの惑星では、性差意識が強く、主人公は、相手の性別を判断、配慮して行動せねばならないから、「彼女は多分男だ」なんてセリフがふいに出てくる。日常的な思考の盲点を突く作品といえる。

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