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ミステリの祭典

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虚ろなる十月の夜に

作家 ロジャー・ゼラズニイ
出版日2017年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 人並由真
(2018/01/09 10:58登録)
 クトゥール・ネタ+オールスターもののダーク(ただしまったく暗くない)ファンタジー。「名探偵」としてホームズも登場しているので、このサイトに感想を記しておく。
 クトゥールの邪神か旧支配者の復活の儀式があり、その前で有名キャラクター(切り裂きジャックやドラキュラ伯爵、ヴィクトール・フランケンシュタインほか、または、ああこれは虚実の有名なキャラクターが原典だなとすぐに思えるオリジナルキャラ)が二陣営に分かれて、その復活と阻止を巡って一定のルールの下に争う物語。
 壮絶に異常な出来事を、ジャックの愛犬(使い魔)であるスナッフの視点を通して淡々と書いていく(こんな特異なバトルが日常の人間界とどういう接点を持つのか、を含めて)ゼラズニイの筆致が実に快く、魔人たちの使い魔同士の交流劇も楽しめる。
 ゼラズニイ作品は何冊か読んでそれぞれそれなり以上に面白かったけど、体系的に読んでいるわけじゃないので、本書が作者の著作のなかでどの辺のポジションを占めるかはよく分からないんだけど。

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