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ミステリの祭典

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殺人(ころし)は血であがなえ

作家 ハドリー・チェイス
出版日1971年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2018/01/08 09:52登録)
ハドリー・チェイスにはハードボイルド系の作品はかなりありますが、私立探偵の一人称形式というハメット由来のパターンはめったにないようです。本作はその珍しいタイプで、しかも相棒が殺された事件の捜査という点だけ見れば『マルタの鷹』を連想させます。が、この作者ですから通俗的な暴力に徹し、冷血な大富豪、悪徳警察署長など典型的な登場人物を配して、殺人は繰り返されていきます。主役に本拠地を離れた観光都市で自由に捜査を継続させるため、途中で反現市政派の副検事を登場させたりもしますが、ラストの見せ場を作るためには、途中でこっそり退場してもらわなければなりません。
真犯人の正体はいかにも通俗ハードボイルドという感じで新味はありませんが、伏線はちゃんと張ってあります。しかし真相解明後のカーアクションになる流れが、チェイスらしいところで、一番の見どころでしょうか。

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