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ミステリの祭典

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憑きもどり

作家 明利英司
出版日2017年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 人並由真
(2025/04/14 07:24登録)
(ネタバレなし)
 高校二年生の秀才女子・長江美里はさる事情から、家庭教師のバイトに勤しんでいた。そんなある日、美里の教え子で、彼女が妹のように可愛がっていた中学一年生・原田茜が殺される。茜はあるダイイング・メッセージを遺しており、それが関連するように謎の通り魔らしき犯人による殺人や傷害が続くが。

 怪異が厳然と存在する世界(作中世界で公認されてるわけではなく、小説の客観描写につきあうなら、そうだと読者目線でわかる世界)で、ミステリの興趣を持った作品。
 原型は作者が19歳の時に書いた作品で、プロデビューして著作を重ねてから手を入れて出したものだそうだが、良い意味でスタンダードなホラーミステリになってる。
 叙述の違和感がそのまま伏線になるという意味でも直球の作品であり、それゆえ犯人というか隠し事を秘めた人物はすぐわかる。
 が、じわじわと随所のさりげない描写がクライマックスで掘り下げられていく感じはなかなか悪くない。
 佳作の上~秀作の下の方。

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