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ミステリの祭典

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いつ殺される
田名網警部シリーズ 別題「狙われた顔」

作家 楠田匡介
出版日1957年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2017/12/24 00:32登録)
(ネタバレなしです) 作者は「模型人形殺人事件」(1949年)を忘れてしまったのか「あとがき」でなぜか「初めての長編」と紹介している1957年発表の本格派推理小説です。田名網警部シリーズ第2作でもありますが彼の登場は物語の中盤からで、しかも探偵役としては他の人物の方が目立っています。大金を横領した役人が恋人と心中して病院の四号室に担ぎ込まれ男は死亡、女は病室から失踪して後に水死体となって発見されます。その後この病院では幽霊の目撃、自殺事件、トイレからの人間(幽霊?)消失、備品の盗難などが相次ぎ、四号室に入院していた作家の津野田は妻の悦子や友人の石毛警部と共に謎を解こうとします。力作ではありますが整理が上手くできておらずプロットが散漫に感じられます。トリックメーカーとして名高い作者らしさも十分に発揮されてはいますが、謎がとらえどころがないためか説明されてもいまひとつすっきり感を得られませんでした(病院の見取り図は欲しかった)。でも第10章のスリラー色濃い雰囲気や最終章での探偵役と犯人との息詰まるような舌戦など随所で印象的な場面があります。

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