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ミステリの祭典

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迷宮のファンダンゴ
大道寺勉

作家 海野碧
出版日2007年10月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 虫暮部
(2017/12/04 12:50登録)
 ウィキペディアによると、作者には文芸誌で活動していた前歴があり、歌人としての顔も持つらしいが、ジャンルの外側からスタイルを対象化したかのような作風はもしかするとそういう要素にも由来するのだろうか。
 前作は私にとって存在自体が驚きだったが、二冊目なので多少冷静に読めた。登場人物各人の動きが場当たり的というか、読了後に振り返ると思惑の擦れ違いが或る種の美しい綾を織り成すようなものが理想なのだがそこには至らず、何故このひとはこういう行動を取ったのかと納得出来ない部分が染みの如くポツリポツリと残ったのだった。
 しかし人物造形の妙は多少の矛盾を飲み込んで物語を牽引するに充分で、某人物があっけなく死ぬ様には胸を突かれた。

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