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ミステリの祭典

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怪人二十面相 乱歩奇譚
アニメ「乱歩奇譚」ノベライズ

作家 黒史郎
出版日2016年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2017/11/24 22:17登録)
法が裁けない罪人を次々に《断罪》していく怪人二十面相。これらの「事件」は二十面相自ら焼身自殺を公開して幕を閉じたと思われていた。しかし、この事件を境に新たな後継者と名乗る者たちを生んでいた。心神耗弱により無実とされた変質者に妹を惨殺された加賀美刑事もまた・・・。

アニメ『乱歩奇譚』のノベライズ作品第二弾。

序盤の加賀美刑事と先輩である中村刑事の活躍が、いわゆる警察小説とは一線を画しており、これがたまらなく面白いのです。少々残酷なシーンがありますので、苦手な方は避けたほうがよいかとは思いますが。
後に高校生探偵の明智小五郎が登場しますが、こちらのストーリーはかなり風変わりな青春小説風で、同級生の浪越諒に対するいじめや彼との並々ならぬ友情が描かれています。勿論小林少年や『人間椅子』に出てきた羽柴も登場します。が、キャラクター小説としては優れているものの、やや物足りなさを感じたりもします。
ただ、最終章はそれぞれの視点から事件を振り返り、大変いい味を出しています。ああ、名探偵明智小五郎はこうして生まれたのか、いやそんな訳、ないですね。これはあくまで乱歩を敬愛してやまない人々によって生み出された「物語」なのですから。パスティッシュとはまた意味合いが違うと思いますね。

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