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ミステリの祭典

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竹島

作家 門井慶喜
出版日2012年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 猫サーカス
(2017/11/07 18:40登録)
今日的な問題を扱っているが、中身は怪しい連中の騙しあい。土居健哉は、知り合ったばかりの老人、坪山博から妙な話を持ち掛けられた。なんと先祖伝来の和本を持っており、それは「竹島問題」の決定打となる内容だという。健哉はさっそく外務省へ行き、買い取りを持ち掛けるが不調に。すると次は韓国の外交当局へと足を向けるのだが・・・。架空の取引や偽物の売り込みなどで相手をだまし、大金をせしめる。コン・ゲーム小説の一種ながら、領土問題をめぐって日韓外交のトッププレイヤーがしのぎをけずるという、前代未聞のスケールで描かれた物語。サッカー日韓戦を観戦中に行われるとんでもない大博打の場面もさることながら、すんなりとは終わらない逆転劇も鮮やか。美術などを題材にしてきた作者が、まさかこんな大風呂敷を広げに広げ、人を食ったユーモア小説を書くとは何重もの驚きである。

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