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ミステリの祭典

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絶版殺人事件

作家 ピエール・ヴェリー
出版日2019年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2017/11/04 22:29登録)
(ネタバレなしです) 森英俊がフランス最良のミステリー作家と評価したピエール・ヴェリー(1900-1960)は大人になっても夢やロマンを追い続けた作家で、30冊ほど書いたミステリーに対しても「詩的でユーモアに富んだものにすること」を目指していたそうです。1929年発表のデビュー作は非ミステリー作品ですがミステリーデビュー作は1930年発表の本格派推理小説である本書です。船上での毒殺事件は一見単純で、第1章の第9部で警察が挙げた仮説ぐらいしか可能性がなさそうに思えますがなかなか大胆な真相を用意しています。謎解き伏線もそれなりに用意してあります。後半になるともつれにもつれる展開となりますが、前半の事件と後半の事件の関連性が思ったより弱いのが惜しいです。これなら2つの作品に分けてもよかったのでは。

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