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ミステリの祭典

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臥龍
横浜みなとみらい署暴対係

作家 今野敏
出版日2016年02月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 HORNET
(2017/10/29 11:12登録)
 ヤクザをとことん憎む「ハマの用心棒」こと暴対係長・諸橋夏男と、係長補佐・城島勇一コンビが活躍するシリーズ第4作。
 ある晩横浜の盛り場で飲んでいた諸橋と城島は、近くで起きた3対2のスジ者同士のけんかの仲裁に入る。2人組は警察であることを知ってそそくさと立ち去ったが、半グレらしい3人組は構わずに立ち向かってきた。一旦は諸橋たちにノされて立ち去ったのだが、飲み直している諸橋たちのもとにまたすぐにやりかえしに来て逮捕。
 警察に動じることなく刃向かってくる連中に不穏な空気を感じた諸橋たちは、神風会の神野に情報を集めに行く。神野は、以前諸橋たちの捜査により逮捕され、現在刑務所収監中の田家川の配下団体が、何かを目論んでいるかもしれないと匂わせる。
 すると翌日、田家川の事件以来横浜に出張ってきていた関西系の羽田野組組長が射殺される事件が勃発。神野の言った通り、田家川の配下が動いているのか?城島と共に捜査に乗り出す諸橋―

 小気味よい諸橋&城島コンビのやり取りでテンポよく進む、相変わらずのリーダビリティ。エンタメテイストの作風でありながら、事件の真相に迫るミステリ要素もしっかりしている。
 捜査一課の方針と食い違い、勝手な捜査に憤る一課と闘いの構図になるという手法もお決まりだが、その間に立つ笹本管理官がいい味を出している。諸橋たちにいつも苦言を呈しに来る管理官だが、実はすべて諸橋たちを思ってのことであり、シリーズを追うごとにその色が濃くなってきている。こういうキャラクター(管理官)は今野作品によく出てくるね。(隠蔽捜査シリーズの野間崎管理官もそんな感じ?)
 期待を裏切らないシリーズ。次作も楽しみ。

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