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ミステリの祭典

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赤ひげ診療譚

作家 山本周五郎
出版日1959年01月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 斎藤警部
(2017/10/20 00:14登録)
周五郎のミステリというと「あの長篇」と「あのシリーズ短篇集」が先ずは挙げられますが、ところがどうして、この有名短篇集の、少なくとも大半はミステリ範疇です(ストレートな推理小説も含む)。 ご存知「赤ひげ」なる町医者が中心で活躍する連作ですが、あつかう病の多くは心に起因する病。となれば物語の経緯はどうしたってミステリの側に寄り添ってしまうのが理(ことわり)というもの。体の病の話でも、何らかの形で「心の謎」を解きほぐすハイライトシーンが多い。優しさと厳しさに包まれた、現代(発表当時&ナウの両方)に否応無く通じてしまうエヴァグリーンな社会問題と堂々斬りあう重厚な社会派小説(ほぼミステリ)として幅広く読まれて欲しい銘品です。 

狂女の話 /駆込み訴え /むじな長屋 /三度目の正直 /徒労に賭ける /鶯ばか /おくめ殺し /氷の下の芽

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