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ミステリの祭典

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屍人荘の殺人
剣崎比留子シリーズ

作家 今村昌弘
出版日2017年10月
平均点7.66点
書評数41人

No.1 7点 はっすー
(2017/10/14 15:54登録)
神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究部の夏合宿に加わるため、同じ大学の探偵少女、剣崎比留子と共にペンション紫湛荘を訪ねた。合宿一日目の夜、映研のメンバーたちは肝試しに出かけるが、想像しえなかった事態に遭遇し紫湛荘に立て籠もりを余儀なくされる。
緊張と混乱の一夜が明け――。部員の一人が密室で惨殺死体となって発見される。しかしそれは連続殺人の幕開けに過ぎなかった……!! 究極の絶望の淵で、葉村は、明智は、そして比留子は、生き残り謎を解き明かせるか?!
奇想と本格ミステリが見事に融合する第27回鮎川哲也賞受賞作!

今年の鮎川哲也賞もかなりの力作
こんな状況下のクローズドサークルは前代未聞でしょう
そしてこの特殊環境でしか成立しないトリックの数々は必見です
中でも第2の殺人のホワイダニットは個人的にかなり衝撃的でした
ただこの状況下でしか成立しない事件のため犯人の思惑通りにどんどん事が運ぶのでご都合主義と言った批判は避けては通れないでしょう
しかしこの作品に対してご都合主義という言葉はナンセンスな気がします
この奇想を基に本格ミステリ作品を見事に成立させた作者には素直に拍手を送るべきだと個人的には思います


ネタバレ
ただ物語上仕方がないものの明智さんだけは生かしておいて欲しかったです…
正直比留子より明智さんの方がカッコよくて好きでした…


追記
他の方からセオドア・ロスコーの『死の相続』が先例としてあると指摘がありそう言えばそうだなとなりました
ただ『死の相続』のゾンビと今作のゾンビは少し種類が違い今作ではその違いをトリックに上手く取り入れているという考えは変わらないので点数も変更無しです
あと『死の相続』もとても面白いので未読の方は是非
『』

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