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ミステリの祭典

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偽りの楽園

作家 トム・ロブ・スミス
出版日2015年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 小原庄助
(2017/09/20 09:45登録)
離れて暮らす両親からある日突然、不穏な連絡が届いたが、なぜか父と母の言い分は全く異なる。
文章の大部分を占める母の語りが、この小説の核になっている。
妄想なのか告発なのか?田舎の閉塞感、母の遠い記憶、ほのめかされる危険。
不安な気配が物語を駆動し、読者を引き込むサスペンス。
決してハートウォーミングな物語ではないけれど、最後の一行を読み終えた後の、胸に迫る独特の温かみが忘れがたい。
派手さはないが、じっくり読ませる小説。

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