home

ミステリの祭典

login
いま集合的無意識を、

作家 神林長平
出版日2012年03月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 糸色女少
(2017/09/17 21:13登録)
1996年以降に発表された全6編を収録。「ぼくのマシン」は、主人公が初めて自分用のコンピュータを手に入れた少年時代の思い出を語る、「戦闘妖精・雪風」番外編。東日本大震災後に書かれた表題作は、作者自身を思わせるSF作家が語り手。
ある時、パソコンの画面に「いま、なにしてる?」という質問が浮かぶ。やがて、自分は伊藤計劃だと名乗りを上げた文字列を相手に”ぼく”は伊藤計劃最後の長編「ハーモニー」について語り始める・・・。
突拍子もない設定だが、いわばこれは、私小説仕立ての伊藤計劃論。語り手は彼の死を正面から受け止め、その志を受け継いで、<大丈夫だ、われわれが、ぼくが書いてやる>と力強く宣言する。
作者にしか書けない、破天荒かつ強烈な短編集。

1レコード表示中です 書評