待っていた女・渇き 私立探偵畝原 |
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作家 | 東直己 |
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出版日 | 1999年12月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | 空 | |
(2017/09/16 13:41登録) 札幌の私立探偵畝原浩一初登場の短編『待っていた女』と、同シリーズ長編第1作『渇き』が収録されています。かなり仕事は多くて忙しい畝原は離婚していて、小学生の娘冴香を育てているという子連れ探偵で、2作ともラストは、冴香を抱きしめるシーンで締めくくられることになります。一方幕開きがユーモラスなシーンであることも2作の共通点です。 『待っていた女』は異常な事件ではあるのですが、それを語るストーリーはあまりにあっけない感じがします。その事件の依頼人であるデザイナーの姉川明美は『渇き』にも登場しますが、畝原が事件に関わることになるきっかけを作る役割です。『渇き』は事件そのものは比較的シンプルですが、構成はハードボイルドらしい展開で、なかなかおもしろくできています。ただ最後に全ての要素を強引に結び付けすぎて、自然さがなくなってしまったかなとは思います。 |