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ミステリの祭典

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六つの希望
吉祥寺探偵物語

作家 五十嵐貴久
出版日2014年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2017/08/21 16:01登録)
シリーズ第3作は、社会派タイムリミット・サスペンス。

主人公・川庄がアルバイトとして働いているコンビニで、立てこもり事件が発生する。
人質は客と川庄たち店員とで30名ほど。
川庄が事件の解決にどう関与するのだろうか。

物騒な小道具は登場するし、時限もあるしで、緊迫感はあるはずだが、本作はかなり変わっていてそうとはなっていない。
まず犯人たちがとんでもない人物たちであること。
その犯人たちの要望の意味がまったく読めないこと。
とにかくのんびりしていること。
結局、彼らの要望の意味を解く謎解きミステリーであるとはいえるのだが、解けてみればどうということはない。バカバカしいともいえる。
長く引っ張りすぎで、途中をぶっ飛ばして最後の20ページほどを読んでしまおうかと思ったが、ほんとうにそうすればよかったかな。

アイデアとしては面白いが、これは長編ではなく、連作短編にすればもっとよくなるはず。
途中には、長らく疎遠だった親子の喧嘩話や、50年ぶりの恋の告白話など、疲れるような部分があるが(謎解きに無関係とはいえないが)、連作短編の途中の一話ならまだしも、長編の中途に差し入れるエピソードとしてはちょっとね・・・。

つまらないはずだが、ちょっとだけ共感できたので、4点以下はつけなかった。

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