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ミステリの祭典

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朽ちないサクラ

作家 柚月裕子
出版日2015年02月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 HORNET
(2017/07/24 21:05登録)
 米崎県警広報部に勤めて4年の森口泉。県警は今、世の批判にさらされていた。生安課に再三ストーカー被害を訴えてきていた女性の被害届を受理せず、先延ばしにしていたところ、その女性がストーカーに殺害される事件が起きたのだ。さらには、その時期に生安課担当を含めた県警の面々が、慰安旅行に行っていたことが新聞にすっぱ抜かれ、世間の反応は炎上した。
 県警では、事件の衝撃はもとより、それ以上に「慰安旅行の件を誰が新聞社にリークしたのか」が最大の関心事となった。森口泉はその雰囲気に背筋が凍る。実は親友の新聞記者・千佳についうっかり、慰安旅行が分かるような言葉を漏らしてしまっていたのだ。
 「絶対秘密にしてね—」そうお願いし、千佳は固く約束してくれたはずなのに…。それを千佳に問いただすと、千佳は「私じゃない。信じて」という。それでも疑いの晴れない顔の泉に、千佳は「信頼を取り戻してみせる」といい、その場を離れた。その数日後、千佳は死体となって発見される―

 県警の不祥事と新聞社へのリーク。裏切り者は誰なのか、探る中で起こる殺人と、関連する人間の連続する不審死。マスコミを舞台に挙げ、警察と絡ませる部隊の設定がなかなか面白く、読み応えがあった。
 ただ事件の黒幕については、警察小説をいくらか読んできた人には概ね予想がつく範疇でもあると思う。

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