ゴーストハウス |
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作家 | クリフ・マクニッシュ |
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出版日 | 2007年05月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | tider-tiger | |
(2017/07/10 11:28登録) 「どうしてぼくたちが天国に行けないか知ってる?」 その古い家では四人の子供の幽霊がおばさんの幽霊に監禁されている。そこへ母と二人で引っ越してきたジャック。この家では一体なにが起きているのか。 お母さんは気づかない。でも、ジャックは気付いてしまった。 暑いので涼しくなるような本を。訳は『蛇にピアス』のお父さんです。 不思議な読み味があります。その理由は未だによくわかりません。 子供向けの作品らしいのですが、こんなん子供の頃に読んでいたなら一か月くらい排尿障害に陥っていたのではないかと。私はビビリなので大人になってから読んでも結構こわかったくらいです。 子供の幽霊たちは自力で素早く動くことができない設定なんですが、彼らの焦る気持ちがこちらにも伝わってきてなんとももどかしい。お尻がムズムズするような状況が満載でした。 幽霊の生前の哀しい物語なんかはお決まりのパターンのようでありますが、そういった定型的な筋運びに留まらず、作者の想像が飛躍していくさまが素晴らしい。ただ、素晴らしいとはいっても、その想像力は読者に痛々しい、怖い、哀しいといった感情をもたらすわけですが。 小説ならではのぶっ飛んだラストはぶっ飛び過ぎだとの批判も大いにありましょうが、個人的にはスコーンとどこかに持っていかれるような感覚が好きでした。 原題 Breathe |