(2017/07/02 02:05登録)
(ネタバレなしです) ミステリー作家としては1980年代後半から1990年代前半の短い期間の活躍に留まった英国のネヴィル・スティード(1932年生まれ)の1986年発表のデビュー作がピーター・マークリンシリーズ第1作の本書です。ピーターはアンティーク玩具屋で、本書では金持ちコレクタ-の代理人として高価なアンティークのブリキ製自動車(たった11台で2万2千ポンド)をフランスで購入します。ところが帰る途中でそれらが安物のプラスチック製玩具とすり返られてしまい、盗品を取り戻すために奔走します。流しの犯行の可能性など全く考えず、ほとんど証拠もないまま目星をつけた容疑者の家宅に侵入したりはったりの脅迫電話をかけたりとピーターの捜査は強引で違法なものばかり(そしてかなりご都合主義的に事が運びます)。本格派推理小説の謎解きをちょっと期待していましたがそういうミステリーではなく冒険スリラータイプです。ピーターが焦る気持ちはわからないでもありませんが、それほど共感できる主人公でなかったので彼がある女性と出会っていい関係になりかけているのを応援する気にあまりなれなかったです(笑)。
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