home

ミステリの祭典

login
ショック

作家 ハリイ・オルズカー
出版日1962年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2017/04/08 08:20登録)
(ネタバレなしです) 1961年発表の本書は終盤に推理によって殺人犯が明らかになるので本格派推理小説に分類しても間違いではありませんが、そこに至るまでの展開は典型的なサスペンス小説のプロットです。殺人事件が関係者に与えたショック(英語原題は「Impact」です)の大きさが不安定に揺れ動く心理描写によって読者に伝わってきます。ある者は証拠を隠したりまたある者は嘘の証言をしたりしますが、本当に(かばわれた人物を)無実だと信じての行動なのかはっきりしません。私はジル・マゴーンの「牧師館の死」(1988年)をちょっと連想しました。マゴーンほど重厚ではありませんが暗くひりひりした雰囲気に満ちており、「殺人をしてみませんか」(1958年)や「死の退場」(1959年)の軽妙な作風とはかなり趣が違います。

1レコード表示中です 書評