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ミステリの祭典

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摩天楼のクローズドサークル
外典コレクション/ティム・コリガン警部シリーズ(実作リチャード・デミング)

作家 エラリイ・クイーン
出版日2015年11月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 E-BANKER
(2026/08/24 13:13登録)
リチャード・デミングによる代作者版”E・クイーン”作品。
登場する名(?)探偵はエラリーではなく、隻眼の警察官ティム・コリガン。ということで、ここまでくるともはやクイーンでもなんでもない、という気はしてくるが・・・
1968年の発表。

~NYの高層ビル、二十一階のバーンズ会計士事務所。会計士のブライアン・フランクが部屋にひとりなのを秘書のシビルは見ていた。部屋から銃声が響き、ドアを開けるとフランクは死んでいた。が、状況は自殺ではあり得なかった。その直後、街は大停電で闇に包まれる。隻眼の探偵ティム・コリガンのロジックが冴える本格推理~

いい意味で「正統派」の本格ミステリだったように思う。
摩天楼に聳えるビルの高層階、しかも突然の大停電で外界と完全に隔絶された準CCが舞台。
で、登場する男女がいかにも大都会NYの住人たち、なのだ。くだんの会計士事務所のほか、フロアを共有する2つの会社で働く男女は、ふだんから”くんずほぐれつ”の恋愛模様を演じている。
当然ながら、動機はそこに焦点が当てられることになる。いやー、結婚・未婚或いは、多少の年齢差なんて関係なし。女性は常に男に色目を使い、男はとっかえひっかえ女を手にする・・・っていうオフィス空間、なんてうらやましい!
いやいや、そんなことは置いといて、
で、登場する探偵コンビがこれまた濃い味でエグい。
フェロモン全開のような男性が、停電のなかナチュラルハイとなった女性とまたまたくんずほぐれつ・・・

いったい本筋はどこへ行った!
ご安心ください。最後は割と正統派です。クイーンばりにロジック全開とまではいえないものの、納得感のある真犯人、納得感のある動機、納得感のあるトリックが説明され、無事事件は解決していきます。
特に動機は、なるほど、だからこその設定なんだね、という意味でも旨いと思わされた。
ただまあ、これをE・クイーン名義で発表しなければならない理由は全くないと思うねぇ・・・
それくらい、完成度は高いと思ったから。

No.1 6点 nukkam
(2017/02/12 01:43登録)
(ネタバレなしです) エラリー・クイーンの代作者たちの中でリチャード・デミング(1915-1983)は10作もクイーン名義の作品を発表しています。その1作である1968年発表の本書は全6作のティム・コリガン警部シリーズ(4作はデミング、2作はタルメッジ・パウエル(1920-2000)の執筆です)の第6作の本格派推理小説です。1965年に実際に起こった北アメリカ大停電と同様の事故を作中で発生させ、しかも高層ビルの高層階での殺人といういかにもアメリカならではの舞台描写が実に魅力的です。ハードボイルド要素など真正クイーン(ダネイとリー)の作品とは異質なところもありますが、ハードボイルドと本格派推理小説の高度な両立という点でJ・C・S・スミスの「摩天楼の密室殺人」(1984年)に匹敵する内容だと思います。

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