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ミステリの祭典

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摩天楼のクローズドサークル
外典コレクション/ティム・コリガン警部シリーズ(実作リチャード・デミング)

作家 エラリイ・クイーン
出版日2015年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2017/02/12 01:43登録)
(ネタバレなしです) エラリー・クイーンの代作者たちの中でリチャード・デミング(1915-1983)は10作もクイーン名義の作品を発表しています。その1作である1968年発表の本書は全6作のティム・コリガン警部シリーズ(4作はデミング、2作はタルメッジ・パウエル(1920-2000)の執筆です)の第6作の本格派推理小説です。1965年に実際に起こった北アメリカ大停電と同様の事故を作中で発生させ、しかも高層ビルの高層階での殺人といういかにもアメリカならではの舞台描写が実に魅力的です。ハードボイルド要素など真正クイーン(ダネイとリー)の作品とは異質なところもありますが、ハードボイルドと本格派推理小説の高度な両立という点でJ・C・S・スミスの「摩天楼の密室殺人」(1984年)に匹敵する内容だと思います。

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